加賀藩に仕えた中流武士の武家屋敷で、池泉回遊式庭園を眺めながら茶室で抹茶が楽しめる寺島蔵人(くらんど)邸。兼六園とひがし茶屋街の間にあり、寄り道に少し寄っていくのがおすすめです。特に庭園は四季が楽しめるように造られているので、街中とは思えない美しい景色が堪能できます。
寺島蔵人は誰?

寺島蔵人は禄高450石の中流武士として、農政や財政などの分野で加賀藩に仕えていました。当時の藩主、前田斉広(まえだなりなが)がしていた藩政改革の組織の一員だったが、前田斉広が急死。その後、藩の重臣の政策に反発をし、能登島へ流刑、いわゆる島流しにされます。名誉が回復されることなく、能登島で生涯を終えたが、死後46年がたった明治16年(1,883年)に名誉を回復することができました。
いざ寺島蔵人邸へ

寺島蔵人邸の中に入ると、すぐに庭園が見えてきます。中心に池がある池泉回遊式庭園で造られていて、13畳ある座敷からはまるで絵画のような景色が見える。春には白いドウダンツツジ、夏は緑、秋は紅葉の黄色や赤、冬には雪など四季折々な色が楽しめます。庭園を眺めるのはもちろん良いのですが、庭園内を歩くこともできるので、寺島蔵人邸を外側からも見れます。

また、座敷横に茶室があり、入口には「乾泉亭」と書かれた看板が付いております。これは、寺島蔵人が書斎に付けた名前で、庭園にある池に水が張られていない、枯池であることから乾いた泉を意味する「乾泉亭」と名づけられています。

ちなみに、別途で抹茶とお菓子を堪能することができます。美しい庭園を見ながら飲む抹茶には趣があり、普段味わえない非日常感が味わえるのでおすすめ。抹茶の提供に使っている、抹茶椀はオリジナルの九谷焼で、正面には「乾泉」の文字があしらわれており、こういった細かい部分で、より一層風情な金沢旅が感じられます。

他にも、七弦琴の名士でもあった浦上玉堂が演奏に使った4畳の間や展示室などもありますので、合わせて寺島蔵人邸内を見てみてください。
金沢市内の武家屋敷と言えば武家屋敷跡などが並ぶ長町ですが、寺島蔵人邸は現存する武家屋敷内を見れる数少ない場所です。美しい庭園とともに抹茶を楽しみながら、200年以上前の趣のある世界にタイムスリップした気分を味わってみてはいかがですか?
武家屋敷 寺島蔵人邸
ぶけやしき てらしまくらんどてい

076-224-2789

9:30 ~ 17:00(最終入館16:30まで)

火曜日(祝日の場合は翌日休館日)

310円

橋場町バス停









