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大人な雰囲気漂う、裏道と坂道が魅力的!小さな主計町茶屋街

 主計町茶屋街は観光地色の強いひがし茶屋街と違って、大人の雰囲気漂う静かな茶屋街なので、もう少し金沢の風情を感じたい人におすすめ!すごく狭い範囲の小さな茶屋街ですが、狭い裏道やちょっとした坂道がひがし茶屋街とまったく違った雰囲気が味わえます。

近いのにひがし茶屋街と違う歴史

 主計町茶屋街は、近くのひがし茶屋街と街の反対側にあるにし茶屋街と並んで、金沢三茶屋街のひとつです。しかし、ひがし茶屋街とにし茶屋街は幕末期の文政3年(1,820年)ごろにできた公認の花街。それに対して、主計町茶屋街はそれまで、宿や町医者、蕎麦屋が並ぶ町でした。ひがし茶屋街の規模が大きくなるにつれ、主計町にもお茶屋ができるようになり、花街としては明治2年(1,869年)に認められ、以降は昭和初期まで続きました。

現在の主計町茶屋街

 歴史もそうですが、人によっては雰囲気もひがし茶屋街と少し違うように感じます。主要な観光地ということもあり、ひがし茶屋街はオープンな雰囲気があるのに対して、主計町茶屋街はやや入りにくい雰囲気のお店が多いように感じます。そのおかげか、主計町茶屋街に大人っぽい静かな雰囲気を演出します。

 現在は、カフェやバーを中心としたお店が並んでおり、少し隠れ家的な雰囲気になっているのが魅力的です。

裏道と坂道の魅力

 主計町茶屋街の裏道は100メートルほどと、それほど長い道ではありません。しかし、そこに魅力がぎゅっと詰まっています。

 おすすめの時間帯は裏道に光が差し込むように入る朝や夕方。晴れの日が少ない金沢ですが、裏道に差し込んだ光が主計町茶屋街の優雅さを感じさせてくれます。また、建物の壁は赤ぽく、日陰では落ち着いた濃いワインのような赤だが、光が当たると一気に華やかな赤に変化。そのコントラストもぜひ味わってほしいです。

 また、横に少し道をそれると「あかり坂」と「暗がり坂」があります。「暗がり坂」は久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)へ抜ける小さな坂道で、かつては旦那衆がこっそりと芸妓さんに会うために使っていた道。その景色を想像しながら抜けていくと、ただの裏道にも風情が感じられます。「あかり坂」は作家の五木寛之が小説家の泉鏡花の作品から名づけられた坂道。近くには泉鏡花の記念館があるので、あかり坂と合わせて訪れるのも良いかもしれませんね。

 昼間の主計町茶屋街はもちろん魅力的ですが、夜になればガス灯風の灯りで、また違った魅力を感じることができます。夕方からはじまるバーがいくつかあるので、歴史を感じながら一杯楽しんでみるのもおすすめです。

季節が楽しめる主計町茶屋街

 川沿いにある主計町茶屋街は春、夏、冬が楽しめるスポットでもあります。春には川沿いに並んだ桜が楽しめて、お店によっては中から桜を鑑賞しながらお茶を楽しむこともできます。運が良ければ、三味線の音がお茶屋さんから聞こえることもあるので、風情を感じながら散策できます。

 夏には川に突き出した川床が用意され、事前の予約が必要ですが、地元の食材を堪能しながら、お食事が楽しめます。秋はこれといった景色はありませんが、気温が下がり散策するのにピッタリな季節。冬には金沢らしい冬景色が楽しめます。

最後に

 規模が小さいことに加え、近くのひがし茶屋街に向かう人が多いため、素通りしがちな主計町茶屋街。しかし、ひがし茶屋街と違った、金沢らしい大人の雰囲気がある風情な街並みです。あえてひがし茶屋街を避け、人が少ない朝や夜の散歩にちょこっと寄ってみるのもおすすめです。

主計町茶屋街

かずえまちちゃやがい

石川県金沢市主計町

橋場町[RL4][RL5][LL10]
城下まち金沢周遊バス(右回り、左回り)

05 金沢蓄音器館

07 東山A・秋聲のみち